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夏至・半夏生・タコ
          鍼灸マッサージ師 佐々木健

 日本では今日昼12:32から「夏至」です。
朝のベランダは空気感が夏でした。
昼過ぎの戸外は暑く街路樹から虫の声
そして見上げると夏の青空に二すじの飛行機雲が引かれていました。


 さて「夏至」の後半1/3は「半夏生」と言います。
漢方薬に半夏というカラスビシャクから作る生薬があり
東洋医学には馴染みの深い気節です。
「夏至」は24節気の気節名で
「半夏生」は24の季節を更に三分割した
72候の季節名です。

昔はこれらの暦を作って農作業の時期を判断する
目安として活用しました。
「半夏生」は田植えなどの春から始まった一連の作業を終えて一休みの時期です。
ちょうど心身の疲労がたまる頃です。
梅雨の湿邪もありますので体調不良や病気のリスクも高まります。

 そんな時期に関西ではタコを食べる風習があります。
これは生活の知恵でしょう。
タコやイカにはタウリンが豊富に含まれています。タウリンはアミノエチルスルホン酸というたんぱく質が分解過程でできるアミノ酸様の物質です。
以下は厚労省のサイトからタウリンの情報です。

 人間には体重の0.1%のタウリンがあるといわれ、
心臓・肺・肝臓・脳・骨髄などの
さまざまな臓器や組織に広く含まれていることから、
生命の維持に必要な成分と考えられています。
タウリンは、胆汁酸と結びつくことでコレステロールを消費して
コレステロールを減らす、心臓や肝臓の機能を高める、
視力の回復、インスリン分泌促進、
高血圧の予防など、さまざまな効果があると言われています。
母乳の中にも多く含まれ、乳児の発達に関わっています。

人間の体内でも作り出すことができますが、
必要量には足りないため、
食品から取り入れる必要があります。
医薬部外品のドリンク剤の成分としてもよく利用されています。


 タコだけではありません。
福井県観光連盟サイトに「半夏生」に食べる半夏生鯖について次の紹介が載っています。

 奥越地方では、
夏至から数えて11日目の半夏生に、
丸焼き鯖を食べる風習があります。
その昔、大野の殿様が領民に、田植えで疲れた身体を癒し、
暑い夏を乗り切るために配ったのがいわれといわれおり、
夏バテ防止のスタミナ食として今では県内中で食べられています。

 
 タコも鯖も美味しそうです。
2021年の「半夏生」の時期は国立天文台サイトに情報があります。
7月2日0時15分から始まります。
そして7月7日6時05分からは次の24節気「小暑」に入ります。
この時期は多くの人が1年の半分をアクセル踏んで走ってきた中間点のような時期です。
更に今年はコロナもあり、
からだも、こころも、社会もお疲れ気味。
「半夏生」の一休みまでもうちょっとです。
今年の半夏生はタコや鯖も良し。あなたの特別な好物も良し。ご自愛ください。

2021年6月21日 15時 
  

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